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教育内容

学生の声

私の知的好奇心を掴んだエンジン研究

2015年 博士後期課程修了

喜久里 陽 さん

2011年総合機械工学科卒業、2013年環境・エネルギー研究科修士課程修了、2015年環境・エネルギー研究科博士後期課程修了、理工学術院助手を経て、現在助教

機械工学には様々な学問分野を統合しながら人々の暮らしに役立つモノを作るという使命があります。私は自動車の研究を通じてこの使命を果たしたいと考えながら、総合機械工学科に入学し、現在の研究に取り組んでいます。

元々の私は中学、高校時代には剣道やオーケストラといった部活/サークルに勤しむ学生で、勉学は興味の対象ではありませんでした。しかし、機械工学科の講義に触れてから、その考えが大きく変わりました。いわゆる四力(機械、熱、流体、材料)は、全て基礎に立脚した内容でありながら常に「どのように役立てるか」を意識して叩きこまれ、さらにこれらをもとにエンジンの分解/組立を行ったり、簡単なクルーズコントロールシステム(自動運転の一機能)を作ったりすることもあり、基礎から応用までどの講義も自然と興味がそそられるのでした。研究室への配属後は、国内外の自動車、エネルギー、建機、材料などの様々なメーカーと共同研究する機会に恵まれ、実際の開発でどのように活用されるかを常に念頭に置きながら日々のディスカッションが行われています。このような環境にハマった私は、研究にどっぷり浸かる選択をしたのでした。

私は自動車のエンジンを対象に研究を行っています。エンジンというと成熟した技術との印象を持たれることが多いようです。しかし私が考えるには、量産エンジンの平均効率はカルノーサイクルの理論効率の半分にも至っていない上に、思った以上に制御に苦労するまだまだ未成熟なパワートレインです。このパワートレインに対して、熱・流体力学、化学反応、電気、制御、数値計算、統計解析、計算機工学などといった様々な学問分野の知見を駆使しながら改善・改良やブレイクスルーを狙っていくのが私の研究の醍醐味で、そのためには常に幅広い分野の新たな知識や技術を身につけなければなりません。これはとてもハードである一方、日々知的好奇心が刺激されるとてもエキサイティングな機会でもあります。

今後は、各国のメーカーが唸るような成果を出せるように、さらにはブレイクスルーを引き寄せられるような研究体制の構築を目指して、学内外の多くの方々と刺激を与え合いながら研究を進めたいと考えています。


夢の実現と人のつながり

2012年 入学

島 聡志 さん

ロボティクス・医療福祉コース 岩田浩康研究室 所属

私は小さい頃から「ものづくり」が好きで、レゴブロック、プラモデルを始め、電子工作、真空管アンプ作成など、成長と共により複雑なものを作ることに興味を持ちました。将来は、「自分が発明したもので生活をより便利なものにしたい」と想いを持ちながら、早稲田大学の総合機械工学科に入学しました。

大学生になり、少し視野が広がり始めた時に、自分の夢を実現するためには様々な人やコミュニティと交流して知識、経験を深めて行く事が必要だと感じていました。そのように悩んでいた中、人生を大きく変える最初の出会いがオリィ研究所のオリィさん(吉藤 健太朗さん)でした。オリィ研究所には、大学2年生の夏からインターンとして参加し、ものづくりに必要不可欠な「技術」について多くのことを学ばせて頂きました。中でも一番自分を大きく成長させることができたのは、オリィさん含め少人数のチームで優勝を勝ち取った「みんなの夢AWARD4」です。たった3ヶ月という短期間でデモ用のロボットの新規開発・製作を行わなくてはならず、また、通信エラーなどのトラブルも多く発生し、大変険しい道のりでしたが、この短期間に開発の流れやトラブルの対処法など非常に多くの「技術」を密度高く吸収しました。そして、自分の夢を追いかけるオリィさんの姿を間近で見て、起業が自分の夢を実現する道であると強く思いました。

様々な経験を積み重ねていく中、大学3年生になる直前に、かつて見学に行った研究室で出会った先輩(渡邉 峰生さん)と先輩のご友人(梅田 耕嗣さん)と共に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とStanford Research Institute (SRI) Internationalの「Silicon Valley Venture Readiness(SVVR)」という共同プログラムに挑戦しました。このプログラムは、日本の有望な技術シーズを発掘・育成し、起業の成功案件を生み出すことを目指したもので、研究者として非常にレベルの高い方も数多く応募されるとの事でした。プレゼン内容を連日打ち合わせ、ソフト開発からビジネスプラン、データ作成等を行い、投資家に納得頂ける内容を検討して審査に臨みました。テーマ実現の可能性とチーム力を高く評価して頂き、シリコンバレーへの切符を勝ち取ることができました。シリコンバレーでは、世界最先端の「ビジネス」を学べるSRI Internationalで研修しました。全て英語で、経営者、専門家、投資家とディスカッションを行いましたので、苦難の連続でしたが、自分自身を一段階上へと成長させる貴重な体験ができました。

現在は、シリコンバレーでの研修などで学び、磨いたことに、近未来に出てくるような操作デバイスを作りたいという新たな夢を重ね、大学内外を問わず、多くの人の支援のもと、自身の夢の実現に向けて邁進しています。また、今の自分がこのような活動をできているのは、早稲田の総合機械工学科に入った後の人とのつながりがあって初めてできたことなので、これからもそのつながりを大事にしていきたいです。


オリィ研究所:みんなの夢AWARD4優勝(日本武道館にて撮影)

オリィ研究所:みんなの夢AWARD4優勝(日本武道館にて撮影)

SVVR:シリコンバレー訪問(SRI International本社にて撮影)

SVVR:シリコンバレー訪問(SRI International本社にて撮影)