研究内容

代表的な研究テーマとして、生体組織のように複雑な動きをするものの動きを追従しながら、組織のモニタリングをすることが可能なフレキシブルエレクトロニクスシートの開発を行っています。

図1. エレクトロニクスシートの写真 (a) 剥離をさせた状態 (b)皮膚表面上で伸ばした状態 (c)皮膚表面上で収縮させた状態  

エレクトロニクスシートは、高い生体適合性とその薄さゆえの超柔軟性を有するパリレンフィルムを材料とし、電極を印刷・蒸着することによって作製されます。このエレクトロニクスシートは生体組織の動きを追従しながら、組織の状態を高精度にモニタリングをすることが可能であると考えられます。(図1参照)

(a)スタンプデバイスを心筋組織に
押し付け低温処理を行う。

(b)ゼラチンゲル状に心筋組織の回
収を行う。

(c)回収した心筋組織をエレクトロ
ニクスシート上にスタンプする。

(d)ゼラチンゲルを溶かすことによ
り、心筋組織を転写する。

図2.エレクトロニクスシートの心筋組織への搭載方法

図3.エレクトロニクスシートを利用して測定した心筋組織の活動電位

図2に示すように、ゼラチンスタンプ法を利用してエレクトロニクスシート上に心筋組織を転写することで、図3のように、活動電位のモニタリングをすることに成功しています。
将来的にさまざまな生体データを同時に測定することができるシステムを開発することで薬効評価システムに応用ができると考えられます。

※上記研究成果は下記の研究業績により報告済みである

研究業績一覧

国際会議
Takashi Ohya, Tetsutaro Kikuchi, Tatsuya Shimizu, Kenjiro Fukuda, Takao Someya, Shinjiro Umezu, “Simple action potential measurement of cardiac cell sheet utilizing electronic sheet. ” In: Pro- ceedings of AROB 22nd, 933–936. (2017).

受賞
1.大矢貴史, 菊地鉄太郎, 佐々木大輔, 清水達也,福田憲二郎, 染谷隆夫, 梅津信二郎, “エレクトロニクスシートを用いた心筋シート電位測定法の開発”, 日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集 23 (2017):,pp.1303.
Best Presentation Award受賞

2.大矢貴史, 菊地鉄太郎, 佐々木大輔, 清水達也,福田憲二郎,染谷隆夫, 梅津信二郎, "エレクトロニクスシートを用いた生体電位計測のための基礎的研究", 第119回日本画像学会研究討論会,2017,p9.
ベストポスター賞受賞

3.大矢貴史,山中文登,菊地鉄太郎, 佐々木大輔, 清水達也,福田憲二郎,染谷隆夫, 梅津信二郎, ”生体適合性を有する超薄膜材料の生体センサへの応用”, 日本材料学会関東支部学生研究交流会.
優秀講演賞受賞