研究内容

バイオエンジニアリンク

当研究室では、独自に開発したマイクロ加工技術を用いて、再生医療のための人工生体組織の開発に取り組んでいます

細胞を精密に並べる技術

プリントされたアルギン酸ゲル
(矢印部分)

複雑な細胞組織の作製

マイクロオーダーの血管を作る技術

コアセルベーション法による
アルギン酸ゲルチューブ

チタン線による血管作製

複雑な血管組織の作製

生体内の複雑な組織構造を
再現した人工生体組織

マイクロ3Dプリンタによる細胞のプリント静電力インクジェットの機構を搭載したマイクロ3Dプリンタを用いて、細胞組織のプリントを行っています。静電力によって吐出するので、高粘性の液体をマイクロオーダーの液滴で吐出することが可能であることから、コラーゲンやアルギン酸ゲルなど、高粘性のスキャフォールドを吐出することに適しています。このことから、従来のプリント方法より、複雑な組織のプリントが可能になると期待しています。
これまでに、マイクロ3Dプリンタを用いて、高精度なスキャフォールドのプリント、細胞のプリントに成功しています。

マイクロ3Dプリンタ

吐出時の様子(動画)

プリントされたアルギン酸ゲル

コアセルベーション法によるアルギン酸ゲルチューブの作製コアセルベーション法により作製したマイクロゼラチンファイバーを用いて、アルギン酸ゲルチューブの作製を行っています。ゼラチンファイバー周りにアルギン酸ゲルをコートした後、ゼラチンファイバーを溶解させることで作製します。作製したアルギン酸ゲルチューブ内で潅流させることに成功しており、血管組織の作製に応用できると期待しています。
これまでに、内径20~200 μmのアルギン酸ゲルチューブの作製に成功しており、人工細動脈の作製に応用できると考えています。

マイクロゼラチンファイバー

アルギン酸ゲルチューブ

アルギン酸ゲルチューブの細胞シート間への挿入

マイクロチタン線による血管作製直径50~ μmマイクロチタン線を利用することで、細胞シート内への管腔作製を行っています。生体適合性の高いチタン線は細胞シートの間に挟んでも、細胞への影響が少ないです。これを利用して、細胞シートの間に挟んだマイクロチタン線を引き抜くことで、管腔の作製が可能です。
これまでに、マイクロチタン線による細胞シート内への管腔作製と作製した管腔内での潅流に成功しております。今後、作製した管腔へ血管内皮細胞等の細胞を播種していくことで、細胞シート間に血管組織が作製できると考えております。

細胞シートに挟まれたチタン線

チタン線を引き抜いた後

断面画像

研究業績一覧

投稿論文

  1. Ryu-ichiro Tanaka, Katsuhisa Sakaguchi, and Shinjiro Umezu. “Fundamental characteristics of printed gelatin utilizing micro 3D printer.” Artificial Life and Robotics 1-5 (2017).
  2. Shinjiro Umezu, Hitoshi Ohmori, “Characteristics on micro-biofabrication by patterning with electrostatically injected droplet”, CIRP Annals-Manufacturing Technology 63 (1), 221-224 (2014).
  3. Shinjiro Umezu, “Precision printing of gelatin utilizing electrostatic inkjet”, Japanese J. Applied Physics 53 (5S3), 05HC01 (2014).
  4. Shinjiro Umezu, Tatsuru Hatta, Hitoshi Ohmori, “Fundamental characteristics of bioprint on calcium alginate gel”, Japanese J. Applied Physics 52 (2), 05DB20 (2013).
  5. Katuhisa Sakaguchi, Takafumi Arai, Tatsya Shimizu, Shinjiro Umezu “Fabrication of micro-alginate gel tubes utilizing micro-gelatin fibers”. Japanese Journal of Applied Physics, 56(5S2), 05EB06 (2017)..
  6. Arai, T., Tanaka, R., Sakaguchi, K., & Umezu, S. (2017). Fabrication of micro-gelatin fiber utilizing coacervation method. Artificial Life and Robotics, 1-6.

国際会議

  1. Ryu-ichiro Tanaka, Katsuhisa Sakaguchi, Shinjiro Umezu, "Printing Gellan Gum Gel Utilizing Micro 3D Printer for Bio-devices", Proc. AROB 22st, p929-932, Oita, Japan, Jan. 2017.
  2. Ryu-ichiro Tanaka, Katsuhisa Sakaguchi, Shinjiro Umezu, "Fundamental Printing Characteristics on Gelatin Utilizing Micro 3D Printer", Proc. AROB 21st, p678-681, Oita, Japan, Jan. 2016.
  3. Shinjiro Umezu, Takafumi Arai, Ryu-ichiro Tanaka, Takashi Ohya, Kei Akimoto, Katsuhisa Sakaguchi, Tatsuya Shimizu, "Fabrication of Soft Tissue Structure Utilizing Biofabrications and Investigation of its Bioelectric Potential", Proc. Japanese American Frontiers of Science Symposium (JAFoS), CA, USA, Dec. 2016.
  4. Ryu-ichiro Tanaka, Katsuhisa Sakaguchi, Tatsuya Shimizu, Shinjiro Umezu, "Biomaterial Printing Utilizing Micro 3D Printer", CEMS Topical Meeting, Saitama, Japan, Oct. 2016.