研究内容

3Dプリンタ

3Dプリンティングでより高精度で複雑な造形物を作製する方法の研究をしております。今後3Dプリンティングはバイオ分野などのさまざまな分野での活躍が期待できるため、応用させることも可能であると考えられます。

代表的なテーマは、マイクロサイズで化学溶解を仕上げ加工に適用できるデバイスの開発により、3Dプリンタ造形物に発生する積層痕を安価に安全に、高精度に除去が可能な3次元化学溶解仕上げ(3D-CMF)という技術の研究です。

3次元科学溶解仕上げ原理図

3次元科学溶解仕上げの様子

3次元化学溶解仕上げは、ペン型機構のペン先部分から加工対象の材料に対応した溶剤を最適量染み出させ、
凸部を溶解し、凹部に充填する原理の加工法です。

従来の研磨加工と異なり,処理を行う部位がソフトであるため、複雑形状に容易に対応可能なうえ処理時に粉塵を出さない点がメリットです。
研磨のように加工対象を削り落とす平滑化ではなく、凸部を溶解し、凹部に充填する原理のためです。

3Dプリンタ造形物 (左: 処理なし,中央: 研磨+塗装,右: 3次元化学溶解仕上げ)

3Dプリンタ造形物サンプルは処理を施すことで、積層痕が目立たなくなります。中央のサンプルは、指の付け根のくぼんだ部分の処理が今一つです。これは研磨が凹んだ部分に施しづらいためです。一方、3次元化学溶解仕上げはどこも一様に処理が施されております。
これは、3次元化学溶解仕上げがペン先の柔軟性で複雑形状に対応可能なためです。

現在、観察技術が著しく成長しているため、3次元化学溶解仕上げのようにマイクロな現象を確認し、加工に生かし、
これまでにない技術を開発する可能性が無限にあります。そのため、アイデアを生かしやすい研究分野です。
さらに、非常に注目され、最先端のイメージが強いため、取り組む研究がネットニュースへの掲載や学会発表で注目される機会が非常に多くなっています。

研究業績一覧

投稿論文
1. K. Takagishi, and S. Umezu. Development of the Improving Process for the 3D Printed Structure. Sci. rep. 7 (2017): 39852.
2. 高岸賢輔, 梅津信二郎, 3Dプリンタ造形物改質処理の画像による評価. 日本画像学会誌 56.1 (2017): 10-15.

国際会議
1. K. Takagishi, S. Umezu, Development of Finishing Mechanism for 3D Printed Products, 32nd International Conference on Digital Printing Technologies (NIP), Printing for Fabrication Materials Applications and Processes, Manchester University, Manchester, United Kingdom, SEP.12-16, (2016)

新聞・ネットニュース
1. 日経産業新聞, 早大が加工機 3D造形樹脂 表面滑らか 2017年2月28日, 8ページ.
2. 化学工業日報, 早稲田大 3D造形滑らかに 化学溶解で 積層痕を選択除去, 2017年3月17日, 朝刊7面.
3. https://news.mynavi.jp/article/20170314-a317/
その他40件以上のインターネットニュースサイトで取り上げられております.