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こんにちはパース担当している比嘉です。今月16日まで開催していた、アントニオ・ロペス展に行ってきました。現在77歳。今なお現役。スペイン生まれの画家で、美術界でも重要な人物となっています。一度、美術大学系でアカデミックな絵画教育をうけた人であれば、好嫌いは別としてほぼ知られている人物ではないでしょうか。
作風は写実系でモチーフは極力写真資料などを使わず実世界を目の前にして描くのを徹底しているようです。その制作過程も特殊で長いものになると20年以上に渡って書き続けることもあるそうです。
自分も絵を描いていた時期があり、ファンだったので、今回の展示会は懐かしさと嬉しさでもう最高でした。
今回観てきた作品の3点紹介。
代表作と思われるスペイン、マドリードのグランビア通りがモチーフ。
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制作期間7年朝6時半の光を描くため、制作時間を一日30分程度に限定して少しづつ描き進めたそうです。
とんでもない手法ですよね。
この作品は消防署の屋上から見るマドリード。
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制作期間16年4枚のパネルが組合わさった巨大な作品描いてるうちに新しい建物もできていくので、もっと広く描きたくなってキャンバスを追加していったのでしょうね。あとキャンバスを屋上まで持って行くのには消防士さんの協力があったそうです。という事は16年間絵を見守った消防士がいるかも。うらやましい。しかし消防署の上って面白いです。「ここなら20年は取り壊されなそうだ...」と思ったんでしょうか。色々妄想してしまいます。
次は自宅の食卓を描いたもの。
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画面には作家の奥さんと娘が描かれています。この作品はまだ未完らしいので、奥さんの顔の位置が修正途中のためズレてたり、食器もざっくり描かれたまま。あと面白いのが手前の肉は写真が唐突にペタッと貼ってあります。私はこの作品で初めて作者を知ったのですが、ざっくりた描かれた中で確かな質感が表現されている事に凄く驚き、絵を観る眼を変えてくれたのを覚えています。
文化村の展示は終了していますが、アントニオ・ロペス展は全国巡回の予定になっていて、次は長崎で開催されます。
開催情報http://www.museum.or.jp/modules/jyunkai/index.php?page=article&storyid=111
お近く立ち寄れる方は眼の保養にぜひ。
以上、比嘉でした。